「ベドウィン、撮影するか?」
取材途中、ガイドが一言。
「もちろん!」私は即答しました。
一応、取材希望場所は事前に渡してあるのですが、時間が余ったりするとガイドはいろんなところに連れていってくれます。
ベドウィンとはカンタンに言うとアラブの砂漠の遊牧民のこと。
定住民の物資を運搬したり羊やラクダを飼育・販売している民族です。
知識としては持っていても訪れるのはもちろん初めて。
やや緊張していましたが、それを和ませてくれたのが子供たちでした。
最初こそ遠巻きだったものの、笑顔で1人の子供にカメラを向けると、次々に興味深そうにやってきて、後はご覧の通り。
どの国、どの場所でも子供と仲良くなれると取材は案外、スムーズに進むものです。
たぶん、私の緊張が緩和されるからでしょうね。
今回はこの後、テント内に招かれて手厚いもてなしを受けました。
日本であまり知られていない国でも、民族を観光目的にしているところがあります。
それが民族の収入になることは良いことなのですが、そういった目的であれば私が撮らなくてもきっと他の人が紹介するでしょう。
私が訪れたベドウィンは観光客と無縁の人たち。
ベドウィンとしての誇りと伝統を継承している人たちでした。