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  • TaddyBear

地図にない道





オマーンへ取材に行った時の画像です。これもフィルムをスキャンしました。今はどうなっているか分かりませんが、25〜6年前は取材制限が厳しく観光局のガイドとドライバーが同行という条件でした。もっとも、1人でウロウロしたところでロクな取材ができなかったと思いますけれど。


このシチュエーションは道に迷っているところです。10分ほど前、小さな町で地図を見ながら道を確認していたのですが、案内が悪かったのかドライバーが間違えたのか、とにかく道がなくなりました。といってもどこまで道で、どこから道じゃないのか自分にはさっぱり分かりませんでした。ドライバー、降りて目視確認しているところがすごいですね。


ガイドが私に「すまん!道がなくなった!」と恐縮している雰囲気だったので、空気を和らげるつもりで「たいした問題じゃないでしょ?」と気軽に言ったら「Big problem...」と真顔で返してきたので、そんなにヤバい状況なの?とビビリましたが、ほどなくして道を発見。しばらくオフロードを走行した後、無事、舗装路に出ることができました。


ところが舗装路に出た途端、ドライバーが猛スピードでランクルを走らせます。隣のガイドも何やらドライバーと強い口調で話し、車内は緊張した雰囲気。まるで陽が落ちる前に目的地に着かなければ大変なことになる、といった感じです。ゾンビ映画でよく見かけるアレですね。


やがて、猛スピードで飛ばしていた理由が分かります。道路脇の沐浴場を見つけるとガイドは私への説明もソコソコに、2人で着ているガラベイヤを脱ぐと丁寧に沐浴を始めました。ガイドが言った「Big problem」は道に迷ったことではなく、礼拝の時間に間に合わなくなる、という意味でした。厳かに礼拝する光景は今でも思い出すことができます。外国で触れた異文化の中でも強い印象が残った瞬間でした。



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